ハウス・ジャック・ビルト

全国順次公開中


ゾッとするほど、魅力的

殺人鬼、ジャック。12年間の告白。



第71回 カンヌ国際映画祭
アウト・オブ・コンペティション部門
正式出品


	
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『アンチクライスト』『ニンフォマニアック Vol.1/Vol.2』
ラース・フォン・トリアー監督作品





マット・ディロン ブルーノ・ガンツ ユマ・サーマン シオバン・ファロン ソフィー・グローベール ライリー・キーオ ジェレミー・デイビス

配給:クロックワークス、アルバトロス・フィルム  2018年/デンマーク・フランス・ドイツ・スウェーデン/カラー/シネマスコープ/152分/原題:The House That Jack built/日本語字幕:斎藤敦子

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「ジャックの建てた家」
英語圏の童歌わらべうた、「マザーグース」のひとつ。今作のタイトル『The House That jack Built』はこの曲から取られている。原曲の歌詞は、「ジャックの建てた家」+「そこに転がっていた麦芽」+「それを食べたネズミ」+「それを殺したネコ」+「それを怖がらせた犬」+「それを角でつついた雌牛」+「その乳を搾った娘」……という具合に続いていく、いわゆる積み上げ歌である。一方、映画のジャックは、いわば「家」の建つはるか手前の地点で足踏みを続ける。童歌の出だし、出発点にも到達しない芸術家きどりを考えると、切ない。
テッド・バンディ
1970年代に30人以上を殺したシリアル・キラー。「イケメン殺人鬼」としても知られるバンディだが、この映画でのマット・ディロンの持つ身体的な雰囲気は、ハッとするほどよく似ている(実際に写真を見比べるとそうでもないのだが)。だが映画の物語の中で、バンディの犯行をなぞる部分はほとんどない。バンディは1989年に処刑されている。
グレン・グールド
「完璧主義の天才」として、ジャックが崇敬してやまないカナダ人ピアニスト。強迫性障害を抱え、ある時期からコンサートでの演奏をいっさい止めたという、きわめてわかりやすい「天才=変人」像を体現する人物とも言える。日本では、夏目漱石ファンとしても知られる。1982年、50歳で死去。
リチャード・ククリンスキー
劇中、その写真が印象的に差しはさまれる禿げオヤジ。プロの殺し屋で、1960年代前半以降、複数のマフィア組織から依頼を受けていた。死亡時期を推定できないよう、しばらくの間死体を冷凍保存することもあったため、「アイスマン」と呼ばれた(同名の劇映画がある)。妻と三人の子どもたちとの生活を続けるかたわら、殺しのメソッドを「アート」の域にまで磨き上げていたのだ。この「アート」の部分がジャックと共鳴したのか。1986年に逮捕され、2006年に獄中で病死。
アメリカ
飛行機に乗れないトリアーが、アメリカを舞台にした作品をアメリカで撮影していないことは有名だが、本作もスウェーデンで撮影された。そのアメリカについて、こういう発言がある。「アメリカには行ったことがない。カフカだって行ってないんだから、問題ないでしょう。アメリカは、僕にとって映画の国なんだ。好きな映画はほとんど、アメリカが舞台だからね」
サイコパス/サイコパシー
アメリカ精神医学会による「精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)」や、世界保健機関(WHO)が国際的な統計基準としている「疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD)」においては、「反社会性パーソナリティ障害」と分類されている。「自己利益のために人を騙す」、「自分や他人の安全を考えることができない」、「責任感がない」、「良心の呵責がない」などの特徴を持つ。
OCD(Obsessive-Compulsive Disorder)
/強迫性障害
強迫性障害(かつては“強迫神経症”と呼ばれていた)。不安障害に分類される精神障害のひとつで、その症状が“強迫症状“。たとえば、この映画でも、不潔(汚染)への不安(強迫観念)から、過剰な洗浄行為(強迫行為)を続けるジャックの姿が描かれている。そのほかに、自分や他人に危害が加えられるのではないかという不安につきまとわれる、外出時に施錠したかどうかなどの確認を止められない、物事の順序や場所など特定のルールが破られると不安になる、ものを過剰にため込んでしまうなどの強迫観念/行為など、その症状は千差万別である。尚、トリアー監督自身も強迫性障害を患う一人である。
大鎌
ジャックが幼年期に見たユートピア的原風景には、大きな草刈鎌を振り回す男たちの姿が登場する。大釜は周知のとおり、死者の魂を刈り、冥府へと導く死神の携えている道具でもある。そういえば、トリアーのこよなく愛するカール・TH・ドライヤーの『吸血鬼』(32)にも、大鎌を抱えた農夫のような男の姿が登場する。
ダンテ「神曲」
劇中“ヴァージ”と呼ばれているのは、「神曲」の中でダンテその人を案内するローマの詩人ヴェルギリウス(英語名:Virgil)である。ダンテはヴェルギリウスに導かれて、地獄から煉獄を経て天国に到達する。なお、「神曲」の地獄は9つの層に分かれている。最下層の第九圏に送られるのは、“裏切者”で、その上の第八圏に行くのが“悪意者”。ジャックのような“暴力者”は、そのもうひとつ上の第七圏に送り込まれる。「おまえが行くのはもう二層上だ」という意味のことをヴァージが言うのは、このためである。
セント・へレンズ山の噴火
劇中言及されるセント・へレンズの噴火は1980年の出来事。服装などから、この映画が主に70年代を舞台にしていることは明らかだが、ジャックの語る「12年間の出来事」は1980年をまたいでいるということが、ここからわかる。ちなみにこの年の11月にはロナルド・レーガンが大統領に当選し、12月にはジョン・レノンが殺されている。
デヴィッド・ボウイ
「フェイム」
劇中鳴り響く「フェイム(Fame)」(1975年のアルバム「ヤング・アメリカンズ」収録)。これについて、トリアーはこう語っている。「ジャックは、名声に弱いところがあるし、僕もそうなんだ。自分でもイヤだけどね」。『ドッグヴィル』と『マンダレイ』では、「ヤング・アメリカンズ」が使われていた。ちなみに、シリアル・キラーとデヴィッド・ボウイといえば、すぐにアルバム『アウトサイド』(1995)が思い浮かぶ。だが、トリアーはこのアルバムのことを知らなかったと語っている。
ボブ・ディラン
「ホームシック・ブルース」
この映画には、プロスペクト通りに停車している赤いヴァンの前にジャックが立っていて、カメラに向かって言葉の書かれたフリップを見せていくという断片が挿し込まれる。映画『ドント・ルック・バック』(65)の冒頭で、「ホームシック・ブルース(Subterranean Homesick Blues)」に合わせて、ボブ・ディランが歌詞の書かれたカードをめくっていくという、あまりに有名な映像の引用であることが見てとれる。トリアー自身も大好きなのだそうだ。
「ハウス・ジャック・ビルト」
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ジャックは異常者で、あらゆる倫理において許されない行いをするが、建築家に憧れ、それでも自分の家を建てられないという点においてのみ、多くのわたしたちと肉薄する。最後に彼は家を完成させて、あちら側へ行ってしまうのだけど。
もや
久々に 長い時間眠らす 一気に見れました 究極の一言
ジャックバウワー
面白かったけど、あのオチにするならジャックどヴァージの道行きを主軸にして、5つのケースを回想してゆく方が良かったかな、と思いました。
yoshiko
最後のあのシーン、落ちると分かっていたのか、それとも分かっていなかったのかジャックは最期までジャックだったし何故か死んでるのにジャックは死なない、そうおもってしまった
きらぴ
哲学的で芸術的で宗教的で暴力的なシリアルキラーセラピーお伽話。面白かった!
h.i.l.o.
「ジャック(jack)」が最初の犯行に使用した凶器が「ジャッキ(jack)」なのはジャパニーズオヤジギャグなのか。
富士田
エンドロールの「出て行けジャック!」は地獄からも「出て行け!」と追い出されるという意味なのだろうか?それとも普通に現世から?
明石
どこからが彼の妄想だったのか
ヴァージに会ってから?
それとも、初めから?
にぁん
家を建ててから地獄にいって足元を水にとられるシーン、一瞬だけどオレンジジャンプスーツ写った気がしたんだけど。あれ気のせいだったのかな?誰もレビューとかで書いてないし気になる。 私はあれをみて、ああジャックは地上で裁きを受けてここに来て、これから地獄で神の審判を受けるんだな、って思ったんだけど。
ほうゆー
これ、サスペンスとかホラーじゃなくてラースの完全に個人的な映画だよね ED曲なんてラースとカンヌ映画祭の関係性そのものだし
るな